hanamu hosinosyo 2


花夢 ――星の章 2――



                             身から出た錆とは申しますが・・・。

                    大岩の大王様の嘆きは、何物にもかえがたく、

                    毎朝、毎夜、涙の海で暮らしていました。




          「お願いだ、誰か・・・。」

          「何でもしよう。 隠し持つ金銀財宝のすべてを、投げ出してもよい。」

          「だれぞ・・・、だれぞ。」

          「私の娘を捜してたもれ。 ああ・・・。」                 


                 《大王様。 見つけ出したら、どうするんだい。》

                 《大王様、二人をかい? ひとりをかい? 誰をだい?

                 《どうするどうするワイわいわいがやがや。。。》




          「二人を見つけてくれないか。 どうか・・・無事で。」

          「忘れていたんだ。 娘の幸せは、わたしのシアワセ。」

          「幸せとは、こころ。」

          「全てのモノ達の、根底にあるやさしさこそが、本当の幸せ。」

          「私の償いの道とは、緑溢れる国をつくること。」



          「想い出したんだよ。 太古の昔の、レンゲの花畑を・・・。」

          「思い出したんだ。 sakura山の春が、いちばんうれしかったこと。」

          「忘れなくてよかった・・・。」




                 《大岩の大王様。風だよ。風が吹いてきた。》

                 《だい王ちゃま。お風だね。 帽子がとぶゅよ。》

                 《ほんと、春の風ですよ。 風だ。風さ。風ね。わいわい。》



          「ああ、あたたかい・・・。 これが幸せか。」

          「これが、春の喜びか・・・。」

          「よく帰ってきたね。yamakazeemerald。」




                 『大岩の大王様。 誠に、申し訳ございませんでした。』

                 『こんなにも、大王様の心を悲しませて。』

                 『もっと、もっとたくさん、お話をすればよかったのに・・・。』

                 『たくさんの会話は、あなたの心の奥も知ることが出来る。』

                 『尽きない話は、あなたとの距離を縮める。』

                 『言葉はいつも、最後には愛を語る。』



                 『あなたの優しさの琴線に、触れようともしないで・・・。』

                 『ただ、若さの心を、突きつけただけで・・・。』


                                    




          「よいのだよ。」

          「若い心は、時に物事の真芯をつくことがある。」

          「わしは、年をとり、長年の慣れが出て、頑固になっていた。」

          「お前たちのおかげで、皆の衆が声を上げた。」

          「わしのために、泣いてくれた、笑ってくれた。」

          「幸せとは・・・、愛だ。」

          「世の中のため、国のため。わしには何が出来る・・・?

photo by 牛飼いとアイコンの部屋



                 『大岩の大王様。わたくしに、金の糸を分けてくださいませんか。』

                 『金の糸で羽を編み、風に乗せて高く飛ばし、』

                 『天上高くで、大きく散らばせ、幾万という星として・・・。』

                 『あなたの、そして私の・・・。 いえ、すべてのモノ達の・・・。』

                 『歩むべき路を指し示す、満天の星として・・・。』



          「輝き放つ、満天の星・・・。」

          「陽の光で輝きを増し、すべての路を示す。」

          「そして、お前たち二人の未来を導く・・・。」



          「老いた者の知恵は、とても素晴しいが、」

          「若い心は、真実を映す。」

          「いつの時代にも、ふたつの心を 繋ぎアイ、語り合って・・・。」



          「幸せとは、シアワセとは・・・。」

          「愛ある、思い遣りのココロ。」



          「yamakazeよ、ありがとう。」




       H16. 3.15


          
       ほっほっほ・・・。
       もう、読んじまったのかえ。
       ではでは、続きのお話を・・・っと。

       ふぉっふぉっふぉっ・・・、そんなに、あわてるものじゃないんじゃよ。
       さてさて、また、いつかのぉ !

                                               じゃあの!



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