懐かしい味(お日さまと北風さん)

懐かしい味(お日さまと北風さん)





大好きな懐かしい味。



ガラガラと大きな輪を手で回しながら、サラサラとガラスの器に積もっていく氷水。

機械の色は水色で、ガラスの器は薄いみどりの飾りガラス。。

食べているうちに融けて、

シロップと混ざったシャブシャブの氷水を飲む時の、なんともいえない幸福感。。

ああ・・・。

食べたくなってきちゃった。。



ずいぶんと前には、そんなお皿で出てきた氷水。

ビニール袋に詰めたものの販売へと代わり、

今は大量品と同じようなプラスチックの入れ物になって、

今年ももうすぐ販売されるはず。。



入れ物はとっても変わっちゃったけど、味は昔と同じ味で。。

最後のほうに残った、氷の水を飲むと。。。



ああ。。



もう、思い出しただけで堪りません。。

早く氷水の季節にならないかなぁ。。




えっさ ほぃさ

よぃしょ どっこらせ



これこれ おまえ達 いったい何をしとるんじゃ・・・?



これはこれは 北風さん

ちょうど良いところに来てくれた

ちょっこり手伝いをしてくれんかのぉ・・?



それはかまわぬが、いったい何をしておるんじゃ・・・?



お日様が熱を出したみたいで・・・。

みんなが暑くてたまらんそうじゃ。。

だから とっておきの氷を出して

削って おでこにそっとのせてやりたいんじゃ。



そういうことなら まかせておくれ。。



そういうと北風は 大きく息を吸い込んで

ぴゅーっ !!



氷は瞬く間に砕け お日様のオデコへ ぺたっ!

北風は調子に乗って ぴゅーっ。。



氷は雲の隙間から 地上へと・・・ バラバラバラ

真夏だというのに 真っ白に積もった氷は

地上を冷やし 植物を枯らし 洪水をもたらした



地上にいた者たちは、一瞬の涼しさを喜んだが、

その後に起こった出来事を深く考え始めた。



こりゃ、おいらたちが火をおこしすぎたんじゃねぇか・・・?

だから、お空の神様が怒ったに違いねぇ。

お山の木だって、たくさん倒して

たくさん たくさんの火にしちまった。。。



火は ほんの少し必要なだけあれば それで十分

ずうっと後のことまで考えて 

こんなにたくさん 薪を採らなくったって 大丈夫

自然の成長を考えて 分けてもらえる分だけで良い



少ししかないものは 工夫の知恵も付くが

有り余るものは ただのゴミにしかならない

よく考えて 賢い知恵を磨こうぞ。。



おやおや 失敗はしたが、地上のものは考えることを覚えたようだのぉ。。

これも良しと考えるとしよう。。

ふぉっふぉっふぉっ。。









2005-06-07 01:31:48up
2005-09-08 改


                                 tozyeekiki ゆめ乃






「葵 -向日葵-」 M2 -Myu music-

art : tozyeekiki ゆめ乃










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