千年の眠りから覚めた魔女の花夢
-花の章-
ねぇ・・・。
わたしのことを、知りたい。
どんなこと。
生まれた意味・・・、それとも・・・。
あなたたちが、まだ、星を便りの交信をしていた頃、
小さな花の、目覚めの粒から、甘い香りと共に、この世に現れたの。
あれから、いくつもの季節を巡り、
風吹く夜の時から、あなたの前に姿を現したの。
ねえ、声が聞きたい・・・?
わたしの声は、いつでも、あなたの心の中に・・・。
つらいとき、悲しいとき、困ったとき、そして、微笑みのとき、
小さな光とともに、こだましていくわ。
わたしを掴まえたい。
わたしは、いつでも、ここにいるわ。
そして、
あなたが求めた、その時にだけ、
その肩先で、ちょっとだけ、微笑むの。
白い花の香りとともに・・・。
太古の昔の、夢の眠りの中から、いま・・・。
あなたの声に、誘われるように目覚める。
わたしの、夢の話を聞きたい・・・?
まわりゆく季節の、花々の夢を。
ふふふ
それは、また、いつかのお話の中で・・・。
H16. 3.15